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PM 1:40
「えー、このXにYを代入して式を求めますが………」
結局弁当を諦め、午後の授業に臨む訳だが、
とても腹が減っている。
そんな状態の俺に追い討ちをかけたのは頭に飛んできた1つの消しゴムだった。その消しゴムはとんでもないスピードで俺の頭に当たると跳ね返り、床に転がった。
俺が消しゴムの怖さを胸に刻み、頭の痛みに悶えていると、左斜め後ろからヒソヒソ声で俺の名前が呼ばれた。
「カイくーん。消しゴムとって?」
俺は地面に手を伸ばし転がっている消しゴムを拾って、差し出された手の上に乗せた。
こいつは俺の幼馴染みの、斉藤紅亜(サイトウクレア)。今の出来事からも分かるが何をするか分からない。
知り合ったのは小学校の時で中学校で離れたが高校で再会した。
因みに知り合ったきっかけはその名前の特異性から。
「何であんなスピードで消しゴムが飛んできたんだよ」
「ゴメーン。滑っちゃって」
「いやいや、どう考えたら滑ってあんなスピードになるんだよ」
「いや、ほら、あれ、ピーンって」
何言ってんだこいつ。
俺は信じられずに追及を重ねた。
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