第1章

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夫婦は言い過ぎだろう。でも確かにちょっと喋りすぎたかもな。はい、反省反省。 「でもホントに仲良いよね~」 そんな事を言うのは佐藤とは逆隣にいる女子、内藤沙綾(ナイトウ サアヤ)。以上。 人生十数年生きてきて学んだこと、現代高校生の説明なんてそんな無い。 「最初付き合ってるのかと思っちゃった~」 「だよなー。入学してすぐ喋ってたもんな」 内藤と四海がのんびりとした口調で言う。 これは本当の話で、入学してすぐに両方が顔を見て「「あっ!」」って言ったからな。それからお互いの中学校の話に入って盛り上がったし。確かに他人の目線から見てみれば少しばかり仲が良いように見えても仕方がないかもしれない。 だが、夫婦は許さん(俺のメンタル的に)。 「にしてもよくそんな俺達のこと見てたよな」 「おい、さっき俺、言ったよなぁ」 話の途中、佐藤、内藤、四海が頻りに俺の後ろを指差していることにもっと早くに気づくべきだった。(因みに紅亜は余程数学教師が怖かったのか怒られてからは真面目に授業を受けていた。) 俺の後ろで数学教師が鬼の形相で立っていた。 「廊下……出るか?」 マジ勘弁。
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