第1章

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◇  ◇  ◇ PM 2:20 「喰らえ!スーパーウルトラハイパーエターナルインフェルノシュート!!」 「お前のシュート、ダサ過ぎ」 なんとか数学教師に謝り、廊下行きだけは免れた俺は今日最後の授業、体育をしていた。 もっと詳しく言うとグラウンドでサッカーの試合をしていた。 今丁度、佐藤がシュート(笑)を放ち、見事に相手チームのキーパーに止められ地面に膝をついている。 これが「俺にボールを回せ!」とほざいていた者の末路である。 そしてキーパーに止められたということは相手チームの攻撃が始まる訳である。 「皆、自陣に戻れ!!」 佐藤がそう言い、俺自身も走り始めた、その瞬間、学校の方から悲鳴が聞こえてきた。ちょっと虫が出た位の悲鳴ではない。 例えるなら女子高生が変質者に会ったときの悲鳴。まさにそんな感じの悲鳴だった。 「な、何だ!?」「おい、今のって悲鳴か?」「ヤバくね?」 今の悲鳴で試合も止まり、クラスの男子がざわざわし始める。 俺はどうしたら良いか分からずにただボーッとしていた。 「先生は確認してくるから、時間もないしもう戻って着替えて来ていいぞ」 体育教師がそう言い小走りで校舎の方へ向かっていく。 だが俺達生徒には片付けが残っている。俺は近くに転がってきていたボールを回収し、用具室に戻った後、佐藤と合流し着替えに学校へ向かった。 何故かその過程で学校まで競争することになったが、それはまた別のお話。
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