第1章

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◇  ◇  ◇ PM 3:40 着替えが終わり、帰りのホームルームの時間になったのだが担任教師が遅くなかなか始まらない。 きっと、さっきの悲鳴のことでまだ時間がかかっているんだろう。 そう判断した俺は自分の携帯端末をだし暇潰しに今ハマっているゲームのアプリを開いた。このゲームは自分に向かって襲いかかってくるゾンビを撃退して建物を脱出するゲームだ。 もうゴール目前まで来ていて後は追ってくるゾンビに捕まる前にドアから出ることが出来ればゲームクリアだ。 そして今、ゴールのドアに、手を、 「はい、ドーーーーーン」 ゲーム内でドアに手をかけた瞬間に、佐藤が俺の背中を叩いてきた。そのせいでぶれる指。画面に表示される≪GAME OVER≫という文字。 「ギャアアアアアアアアアア!!!!」 俺は叩かれた衝撃、画面に表示された文字、そしてそれを見たときの自分の声に驚き、手に持っていた携帯端末を床に落としてしまった。 その際に地面に落ちた衝撃で携帯が破損する。急いでボタンを押し確認するが既に電源は落ち反応せず。 「あ、あああ……」 俺はゆっくりと振り返る。すると直ぐに目を反らす佐藤。 文句を言おうと考え、いざ詰め寄ると、このタイミングで担任教師が教室の扉を荒々しく開け、入ってきた。
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