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一億円を手に入れた
「一億円を手に入れて」か。
ボクはインスピレーションが沸かなかった。
あまりにも現実的なことだったからだ。
現実的の意味はお金という物体という意味で、大金ということではない。
前回のように、
「教室の戸を開けると、そこには」
の方が、いろいろと空想の世界が広がっていたんだけど。
今、こうして書いていても、何も浮かんでこない。
たとえば、
宝くじが当たった。
普通過ぎる。
拾った。
ありきたり。
強盗をした。
末路は見えてる。
遺産などで転がり込んできた。
ドラマがあるように思う。
推理、ミステリージャンルで書けそう。
もらった。
漠然としているが、書けそうな気がする。
ファンタジージャンルかな?
拾った宝くじが当選していて、勝手に換金して、一億円を手にした。
これも、末路は見えそうだ。
あと、株など債権で勘が当って、一億円が手に入った。
似たようなところで、
ギャンブルで大穴が来て、一億円が手に入った。
うーん、発想が沸きそうで沸かないなぁ
あと、何かあるかな?
手に入れるということは、一気に一億円が手に入ったということでいいのか、給料などを貯めて一億円を手に入れた、ということでもいいのか。
変な方向に、考えが向かってしまう。
今回は全く浮かんでこない。
ボクにとっては、想像力の沸かないもののようだ。
などと考えながら、机から身体を放し、うしろに倒れて背伸びでもしようかと思ったら、頭に何か当った。
いってぇ!
めっちゃ痛って!
振り返ってみると、札束の山があった。
なんで?
なんだ?
どうして?
ボクはその札束の前で、正座をしてしまった。
文字通り、降って沸いてきたようだ。
玄関には鍵をかけてるし、窓も開けていない。
しかもここは二階だから、いくら考え込んで集中していても、足音が聞こえるはずだ。
しかも、これほどの大金を音もさせずに運んで、ボクの真後ろにおいて立ち去るなんて、どう考えても不可能だ。
密室殺人どころか、密室札束放置事件、か。
気味が悪かったので、一応この前ホームセンターで買った軍手を両手につけて、いくらあるのか確かめていた。
一億円あった。
持ち上げるとたぶん重いだろう。
しかも、百枚束で封紙を掛けたものが、裸で並べて積まれてある。
なるほど!
夢だったって落ちもあるよな!
ありきたりだけど。
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