研修一日目

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 まぁ、みゃーこちゃんに任せておけば大丈夫だろう。  こうして私たちは拠点をかまえるべく、森の中へと歩み始める。  新人研修で訪れた魔法列島のひとつ、幽閉島。  そこには一級魔法少女が中隊を組んでやっと倒せるような、強力な生物が生息していると言われている。  しかし実際にはただ暑くて森林しかない、無人島である。 「あっつい。あーちゃんどうにかして」 「荷物持たされた挙句急勾配の道を意図的に選択されている私の現状からさらに無理難題を言いますかこのお嬢様は」  区切ることなく最後まで言い切り、私は肩で息をする。つらいわこの人の付き人。 「だっていつもなら重い荷物は魔法でどうにかしてたから、私お箸以上に重いものなんて持ったことないのよね」 「魔法に頼り切った生活してるなんてだめだよみゃーこちゃん」 「駆動音がうるさい運搬機ね。もうちょっと静かにできないかしら」 「これから四日間一緒に過ごす相棒を運搬機呼ばわりですよこの令嬢。わかったよもう何も言わないよ」  魔法が使えない以上、森林支配というパッシブスキルと森林操作というアクティブスキルだけが頼りなのだ。しかしその能力は体力を激しく消耗するらしく、荷物はおろか、今は自分の身体を動かすのも辛いのだと思う。まぁそれを口実に私をいじめたいだけだと思うけれど。 「まぁでも、能力が使用不可だったらさすがに詰んでいましたけれどね」 「というかパッシブスキルを使用するなってほうが無理だと思うけれどね」  能力発動を制限する魔法はあるらしいが、それを四日間も発動するにはさすがに超級魔法少女クラスを呼ばないといけなくなる。たかが新人研修にそんな大掛かりな魔法は使用しないはずだ。  というか、そんな魔法を発動されたら困るのはむしろ監視役のほうだろうし。 「暑いのはこの際我慢するとして、視られているという感覚は我慢ならないわね」  指定区域の全てを視る事ができる能力、トライアル・アイ。おそらく監視役の誰かのアクティブスキルだろう。  能力発動を制限する魔法はあるらしいが、それを四日間も発動するにはさすがに超級魔法少女クラスを呼ばないといけなくなる。たかが新人研修にそんな大掛かりな魔法は使用しないはずだ。  というか、そんな魔法を発動されたら困るのはむしろ監視役のほうだろうし。
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