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「暑いのはこの際我慢するとして、視られているという感覚は我慢ならないわね」
指定区域の全てを視る事ができる能力、トライアル・アイ。おそらく監視役の誰かのアクティブスキルだろう。
いや待て、こんな変態性の高い能力、まさかとは思うがリスティルではないだろうな。
「トライアル・アイ。別名”ラプラス”とも呼ばれるその能力は、実に驚異的であり、魔法少女殺しでもあります」
「区域内の全て、ということは魔法発動前の原子の動きすら視通すことが出来るということだからね。能力というかチートですわチート」
まぁ今のところその能力を使用できる魔法少女がほとんどいないし、その能力を拝めたのはいい経験だけれどね。
しかし、それはそうと結構歩いた気がするが、まだ島の中心部には到着しないのか。すごく小さな島だと思っていたが、徒歩で移動となると相当広く感じる。
そんなことを思っていると、みゃーこちゃんは見越していたかのように私に告げる。
「もうそろそろ目的地ですわ」
木々で覆われた視界が徐々にひらけてきた。
森林の中に直径十メートルほどぽっかり穴が開いている。恐らくみゃーこちゃんの森林操作で作り出した私たちの拠点地だろう。
「ではあーちゃんはテントの準備と夕飯の支度、お風呂の準備と着替えの準備もお願いね」
まぁ確かにみゃーこちゃんが罠作りに専念できるように、その他のことは全て私がやるべきだろうけれども、その態度はいただけない。張りのあるおっぱいを強調するようにふんぞり返るのは私への挑戦だと思うの。ほら、私ってぺったんこだし。とか勝手に自分で思って軽く落ち込む。ふん、まだ成長途中なだけだし!
私はさっそくテントを張るべく骨組みを組み立てる。今のテントは組み立てほんとラクよね。ほとんど広げるだけで設置が完了しちゃうもん。これが現代の最新技術か、はっ! まさか現代ではよりスマートなものが求められているのだろうか! それなら私のこのスマートボディは意外と需要があるのか!?
「気持ち悪いこと考えてないでさっさと終わらせなさいな」
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