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 八つの大小の島で構成された、一般世界からは隔絶した魔法使いのための世界、それが魔法列島。  今私たちは魔法列島で一番大きな島である『決戦島』で、新人研修を行うにあたっての諸々の用意をしている最中である。 「しかし久しぶりに来るとこう、相変わらず変わった島だよね。魔法列島って」  私がそう言うと変態バニー痴女もといリスティルは苦笑しながら言う。 「外の世界で暮らしていれば、この島の生活は少し窮屈かも知れないですね」  実際リスティルさんは魔法列島で普段を過ごし、仕事で私たちが暮らす外の世界にくるようで、その度にこの島の暮らしが不便に感じるようだ。まぁこの列島自体が魔法使い、特に現役の魔法少女にはとても住み辛くなっている。外との協定の結果だろうが、一魔法少女として良い気分ではない。  暫く私たちはその奇々怪々な町並みを眺めていた。見慣れたビル群の間を縫うように箒方の飛行物体や色とりどりの光が交差する。鳥のような飛行機のようなよくわからない物体が頭の上を過ぎ、それ乗り物なの? って疑いたくなるような奇形の乗り物が目の前を横切ったり、お前二足歩行するなよ気持ち悪いって奴がわけわからない言葉で何か話してたり。いやほんとなんでもアリですねこの島は。 「それで、この島のどこで私たちは研修を行うのでしょうか?」  せっかちで全ての事情を把握していないと気がすまないみゃーこちゃんはいらいらしたご様子でリスティルに訊く。いらいらは美容の大敵だぞ。みゃーこちゃん可愛いんだからそんな顔しちゃだめだよ。って心底どうでも良いことを考える。 「私たちが今いるこの決戦島から約四キロ離れた小島、通称『幽閉島』が今回の研修地です。ですが、『幽閉島』は魔法列島の中でもかなり特殊な造りになっているので、ひとまず準備を万端にしたいと思います。研修期間は四日間。他の新人に比べればかなり短い期間の分、それなりに危険度は上がります。ですから、生きるためではなく、死なないための装備を整える必要があります。あなたたちはもちろん、監視兼指導役の私もです。今回ばかりはふざけていたら命を落としますから、私も真面目になりますので、皆様もそのおつもりで」
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