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 確かにこの島にきてからほとんど変態行動をしていない。もしかしたら外で見せていた変態的行動は、相手を油断させるための手段なのではないだろうか。そう思うとこの女性はかなりすごいのではないか。いやぁただの変態だと思ってた。少しは見直したわ。 「まぁ、私が真面目になったところであなたの貞操の危機は避けられないのですが」 「おいふざけんなよ。命の保障しないぞほんと」  どうして見直した矢先に残念なこと言うかな。変態なところ直せばきっと素敵な男性も寄ってくるのに。 「しかしあーちゃんは私の奴隷なのよねぇ」 「それは初耳だな」  すごいことを堂々と口走ったな。さっきまで寝惚けて「マミーおしっこ」なんて言ってた子と同一人物とは思えないわ。 「けれどふざけていたら痛い目にあうのは事実なので、十二分に準備をととのえてくださいね」 「とは言っても、私たちは既に結構な数の魔法を覚えているので、無人島やら猛獣が支配する島に放置されたところでそうそう困ることはないと思うのですが」  みゃーこちゃんの発言は的確に事実をあらわしている。が、こと私に関して言えば未だ三つしか覚えていないので、サバイバルキットやら何やらを持っても不安なレベルである。  それに幽閉島ときた。この新人研修はもう研修ではなく、一種の任務と言い換えても問題ないだろう。今でこそ本来の幽閉という目的では使われなくなった島だが、あそこには危険な獣が生息しているといわれている。一級の魔法少女が中隊で挑んでやっと斃せるクラスの猛獣がうじゃうじゃいるのだ。そのことを恐らくみゃーこちゃんは知らない。私も少し前姉に聞かされたばかりだし。 「……まぁ魔法が使えるからと言ってサバイバルが楽になるとは、私は思わないけれどね。私から言えることは後悔はしないでねってことだけね」  リスティルはいつもの変態的な笑みではなく、苦笑を浮かべつつ私たちを見ていた。その笑みは私たちを気にかけているようではあったが、一体どんな意味があるのか今の私には判断ができなかった。 「そうそう。この新人研修、六人を三組に分けて最も島に適応した組に最高クラスの準三級を与えます。その一組があなたたちです。他の組は、言塚琴葉・友仲智菜(ともなかともな)ペア。一里丘陶器(ひとりおかとうき)・銅名美希ペアですので、島で遭遇したら排除が好ましいと思います」
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