第1章

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人はだれしも、もしも大金を手に入れたら…と考えた事はあるだろう。 しかし実際に大金を手に入れたら人はどうなってしまうのだろうか。 目が覚めたら机の上に1億円があった。 優子は訳が分からず昨日の事を思い出そうとするが思い出せない。 酔っ払って帰ったのだろうか。いや、それでも優子に1億円を手に入れる方法などなかった。 「あーもう、これなんなのよ…。」 見た事もない大金を目の前にしたらこうなってしまうのも無理はない。 とりあえず朝食を食べながら考えようと優子は部屋をあとにした。 朝食を作りながら優子はふと思った。 あの1億円をどうやって手に入れたのか考える必要はあるのか、と。 自分の部屋の自分の机の上にあるのだから自分のものなのではないのだろうか。 きっとそうだ、あの1億円は自分のものに違いない。 「うふふ、これは神様に感謝しなきゃ。」 次に優子は朝食を食べながらあの1億円の使い道を考えた。 あの欲しかった財布や鞄や靴、洋服を買ったってまだまだお金は余る。 家だって買えるんじゃないだろうか。 行きたかったハワイ旅行にだっていける。 「私ってほんとついてるわ。あの財布買ってめぐみに自慢するんだから。いつもあの子ばっかり自慢してきて苦痛だったのよね。でもこれで私のほうが自慢できるわ。それにこんな汚いアパートもはやく出て行かないとね。こんなところに住んでる人なんてみんな私より下よ。私は都会におっきな一軒家建てちゃうんだから。」 朝食を食べ終え、部屋に戻ると 机の上の1億円はなくなっていた。
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