第1章

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「…いいよ。泉ちゃん」 「泉ちゃん…?聞き捨てならないわね…。そういえばさっきもそう呼んでいたような気がするけど、貴女のような矮小な動物が言う事を巧く聴きとる事が出来なかったわごめんなさい。うん…貴女はわたしの事は会長或いは黒川さん…いいえ。黒川様とでも呼ぶべきなのよ。そうよね?小さな交番に勤める親の子が、その黒幕の黒幕であるわたしの父。その子であるわたしに手を出すなんてとんでもない事よ?分かってる?」 「そ、それはお父さんの事であって…」 「ふぅん…。貴女には関係無いと…?…ふふ。そうね。そんな事は関係無い。父は父。わたしはわたしよ。だから貴女は貴女。そうでしょう?優秀な警察になる為に頑張って頑張って頑張って合気道を習っているんですってね?ふふ…笑っちゃう」 「…泉ちゃんっ!分かった。じゃあ今回わたしが勝ったら、貴女の事はこれからも泉ちゃんと呼ぶ。そして貴女にはわたしの親友になってもらう!いいよね!?哀川くん?」  何故、僕に言うのだ?分からない。と、そう思っている内に今回は亜美ちゃんが黒川さんに向かっていった。 「はあぁぁぁぁ!」 「はあぁぁぁぁ!…なんて言っていったいわたしをどうする気…?」 黒川に向かった亜美ちゃんは一瞬の内に宙に投げられ、床に押さえつけられていた。 「前と逆の状況ね?く・り・は・ら・さんっ。さっきわたし、言ったわよねぇ?貴女が合気道やってるって。つまり、このわたしがどうして負けたか分かったという事よ。以前通っていた合気道の教室に顔を出して本気で叩きのめして貰ったわ。何回も何回も何回も。でも、何回目だったかしら…?いつの間にかわたしが他の人を叩きのめすようになってしまって…。ふふ…天才というのは辛いわね?」  亜美ちゃんの関節をきめつつ、黒川は能弁に話していた。 「そ、そんな…一カ月もしない内に合気道でわたしを越えたっていうの…?」 「そうよ。ごめんなさいね…。才能があって…。それで、どうする?降伏しないのならこのまま関節外しますよ?貴女は抜く。とか言っていたけれど、正しくは外すよ。これからは日本語を勉強してから人を脅す事ね」  っ!や、ヤバい!山田は?…なんか呪詛の言葉を呟いてる…。このままでは亜美ちゃんの関節が外される!?そんなのは耐えられない!嗚呼…どうしたら…。  気付いたら黒川泉の後頭部をドーンと蹴っていた。
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