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春に新学期が始まった時、詩乃は教室の後ろで一人でいることが多くて、友達いないのかなと思ったんだけど。
それでちょっと声を掛けたのがきっかけ?
その時は全然知らなかったんだよね、詩乃の電波部分については。
普通に話している時はそういう話しないしね。
あんまり人と話すのが好きじゃないから友達作るのに熱心じゃないだけ、と。
見た目も色白で小柄で細くて、髪も真っ黒で伸ばしていた。
髪型の校則は緩かったから纏めてたりはしてなかったけど、きれいな黒髪だった。
でも微妙に長さは揃ってなくて、後で聞いたら自分で切っていると言っていた。
全体的に派手さが無くて目立たない感じではあったんだよね。
その後も、なんとなくちょっとしゃべるくらいな感じだったんだけど、時々、放課とか授業が全部終わった後とか、詩乃のところに別のクラスの子とかが来たりしていた。
へえ、同じクラスには仲良くしている子はいないのに、別のクラスには居るんだって思ってた。
迎えに来たっぽい感じで教室を出て行くこともあったし、高校1年の時の友達かなって思ったりしたんだけど、それがいつも同じ人っていうわけじゃなくて、それにあんまり仲良さそうな雰囲気もなくて。
なんなんだろと思っていた。
それで聞いちゃったんだけど。
その時は昼休みで、お弁当とか食べた後のガヤガヤした感じの時間。
背の低いかわいい系の女子が教室のドアのところから声を掛けてきた。
「詩乃さんっていう人、いますか?」
ああ、その後ろの席のやつがそうだよ、って男子が指差していて、詩乃と少し話して出て行った。
1年の子っぽいな、と思って。
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