episode165 欲望と本能と

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「いくら心を探っても同じなの」 まるで とんでもない秘密をつきとめたように。 「あいつには――欲望と本能しかない」 真顔で声を潜めるシウォンを見て 思わず僕は吹き出した。 「そりゃ大変だ」 面白い。 やっぱり追いかけて帰らなきゃ。 「じゃあな、シウォン。また遊ぼう」 「ダメ。ちゃんとキスしてくれなくちゃ――」 軽く頬を撫でる僕の手を掴んで シウォンは上目遣いにねだった。 「もちろん」 思い直して僕は 別れのキスにありったけの愛という感情を込めてみる。 「アンニョン(さよなら)、シウォン」 悪くない。 嵌り込みさえしなけりゃね――。
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