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episode165 欲望と本能と
狂乱の一夜。
経験したことがないと言えば嘘になるが――。
「凄かったな」
「ああ……」
あんなに強烈なのは
生涯二度とないかもしれない。
朝が来て
天宮家の三兄弟は姿を消していた。
僕は乱れ切った応接間に
ジュンと2人きり――。
破れた羽根枕から飛び出した
羽毛にまみれたまま。
くらくらする頭を抱えて
ようやく半身起こしたとこだった。
「ホント、あの子は何者だい?」
裸の上半身に張り付く羽を払いのけながら。
ジュンは思い出したように笑った。
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