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オレンジ色の寝癖頭が
子供みたいにひょこっり首を伸ばす。
「普段、弟の心を読むことはしないけど――」
口端の上がった
ジュンの複雑な表情。
「――ああ」
それだけでなんとなく
言いたいことは分かった。
「涼介兄さん……いる?」
案の定
甘えた声音が僕を呼ぶ。
「お呼びだ。言っとくけど――」
「分かってる。可愛い弟君だ、大切に扱うよ」
小悪魔の毒に当てられて。
どうやら
大人になりたくなったみたいだ。
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