入学

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 そんなヴァイズ魔法学校の玄関広場には今、白い制服を着た、たくさんの若者が集っている。今日はヴァイズ魔法学校の入学式なのだ。  彼らは皆、彼らの入学を祝う親や兄弟と楽しげに話していた。  しかし、この広場の片隅、校門近くにひとり、誰とも話そうとせずに木に寄りかかる少年がいた。  細くもなく太っている訳でもない体型だが他と比べると飛び切り背が低い。彼は他の者と同じ白い制服を着、右腰の鉄と革で作られた剣帯に赤と白の短剣を差している。  どちらの短剣も片刃で反り返っており、持ち手部分には半透明の宝石が埋められている。鍔が無く、代わりに柄の根本近くの刀身が伸びて柄頭とくっついている。  白く、ぎりぎり肩にかからない長さの髪、左目は淡い青色だが、右目には黒い眼帯しており、右手に白い革手袋をしている。
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