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幸いにも周りに他の客はおらず、バスにも人影なし。どうやらここが始発のバス停らしい。加えて、運転手のおっちゃんは時刻表を確認している。
つまり、冬足さんの犯行は誰にも見られていないわけだ。
本当、周りに人がいなくて本当良かった。…いや、冬足さんは一回傷害罪か何かで捕まればいいと思う。切実に。
「器物破損に銃刀法違反、他に何があったか?」
……そういえばそうだった。過去にあった諸々で俺も何かしらやらかしていた。冬足さんが捕まったら間違いなくこの人は何のためらいもなく俺を巻き込む。
そして、その際に絶対有る事無い事余罪を増やされ、人生が完全終了、ゲームオーバー一直線になってしまう。
「は、早くバス乗りましょうよ。に、ニカイダテノバスハハジメテダナァ。」
「そうだな、幸いに他に乗る奴もいないみたいだし、余罪についてゆっくり話をしようか。」
何度も言うようだけど、もうやだ、この人。
バスに乗り、冬足さんはおっちゃんに何やら言う、そして、お金を入れている、いくらかは見えなかったけど、?2くらいかな?
何言っているんだろう?と思いながら乗り込んだら、おっちゃんに
Which bus stop?
と聞かれた。
えっ、どこ?
Also city center.
戸惑っていたら呆れたように冬足さんがフォローしてくれて、俺の財布からコインを出して放り込んだ。
そして、感謝とあっけにとられながらスーツケースをバスの荷台置き場に並べる。
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