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バスの感想は…酔った。最初は初めて見る海外の風景、映画とかドラマに出てきそうな緑溢れてるホームタウン!みたい街並みとか、バス停のスタイリッシュさに感動したり、横に走っている車をふと目で追ってみたら日本のあの有名ブランドのエンブレムが付いてて、さすが世界に誇る日本!と思ったりしていたのだけどもさ、いや、一階部分の車体…低ないすか?
普段京都の街中を縦横無尽に、偶に似た名前で間違えるととんでもない方向に行くあのバスより車体がかなり低い。
要するに、道路の凸凹がダイレクトに体に響く。常に振動してる。マナーモードの携帯かってくらい。
だからなのか、素直に俺の三半規管が優秀なせいなのか20分も揺られないうちに酔った。
こ、こういう時は遠くの緑を見れば…って外を見たら緑よりも家とかに目がいってしまって逆効果。
幸運なのは、吐く域までは達していない事。
街並みがだんだん背の高いビルが増えていて、いかにも中心街っぽくなってきた事。
そして、とりあえず見ていた窓にスタジアムっぽい建物が見えて、そのまま直進していくと駅っぽいところに着いた。そういえば、日本なら空港まで電車あるのにないんだなぁと思っていたら路面電車が前を通って行った。
路面電車といっても、チンチーンと音のなるやつじゃなくて、なんというか、小型の電車。普通に新快速電車とかの車両数を減らして少し可愛くしたようなフォルム。オレンジのラインがアクセントになっていてお洒落。でも、日本のよりもかなりスリム。通勤ラッシュの時はギュウギュウになるに違いない。まぁ、アイルランドの人の何割があの電車を使うのかは知らないけどもさ。
いいなぁ、あれ。高そうだけど乗ってみたいなぁ~。
「…口開けて何してるんだ、窓でも舐める気か?変質者。」
「うわっ、冬足さん。いつ降りてきたんですか?!バスが動いてる時は席を立っちゃダメなんですよ!」
「はぁ、そうか。引きこもりカラスは海外のバスに乗った事ないんだな。バスが止まってから二階から降りてきたら発車してしまう。」
「そ、そうなんですか?」
「さすがに階段は危ないからさっき止まった時に降りてきたがな。それより、後二つほど行ったらトリニティカレッジだ。降りる用意。」
もうなのか。とりあえず、40分くらい街並みを見せてくれた愛しいバスの窓に別れを言おう。ありがとう、酔ったけど楽しかったよ。
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