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「おい、八岐大蛇、俺の下僕に余計なことをするな。躾に影響する。」
おいこら待て!今サラッと俺のこと下僕って言ったぞこいつ。
「僕のこと正体で呼んでくるのいつも君だけだねぇ、冬足。あと、下僕は慶君が可哀想だからやめようか?」
「ふんっ、下僕に下僕と言って何が悪い?奴隷と言わなかった分まだましだと思うが?あと、妖怪風情が偉大なる陰陽師様の前に意見をするな。」
ちょっと本から顔を上げて言う冬足さん。
てか、下僕も奴隷も割と似た言葉だと思う。それから、偉大なる陰陽師は自称しない。八岐大蛇の龍さんからみたら冬足さんは赤子どころか受精卵レベルだぞ?
「冬足は相変わらずだねぇい。それが正しくなかったら八つ裂きにされても文句言えんでぇ?」
「安心しろ。京単位で押し寄せて来たとしても所詮雑魚は雑魚だ。俺の敵ではない。」
いつも思うが、その根拠の無い自信はどこから湧いてくるのだろうか?
龍さんも呆れたようにため息を着く。
「で、八岐大蛇何ようだ?お前はそこの駄目ガラスと違って忙しいだろ?」
駄目ガラスって…。
「まぁ慶君が暇かは知らんけどねぃ、ちょっと知り合いから連絡が来てな。妖怪がらみやないんやけんど、冬足のこと話したらどうしても力を貸して欲しいそうなんよぉ。」
妖怪絡みじゃないのに陰陽師に用が、ましてや闇金も真っ青な法外な料金をイケメンスマイルで要求してくる冬足さんに依頼なんて、頭おかしい奴なんじゃないだろうか。
「おいこらバカガラス。お前今俺の悪口を考えてるだろ?」
「めめめめめっそうもごごございませんんん!!!」
「そうか、ならクーラーがなくても生きていけるな。」
「えっそれとこれとは話しがちガッッ!!」
「黙れ。」
本当悪魔じゃないだろうか、この人。いきなりペーパーナイフ投擲してくるとか…。本当なんでこの人頼っちゃったんだろう、俺。
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