第一章

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ミーンミーン 「あっちぃー」 無人駅で一人呟く。 今年も祖母の家で過ごす夏がきた。 私の両親は共働きで、とにかく忙しい人達だった。 お父さんは出張に行くことが多く、お母さんは仕事柄帰ってくるのが遅い。 そのせいで、夏休みは毎年祖母の家で過ごしていた。 ただ……祖母の住む家はかなり田舎だ。 駅の周りは個人営業の商店が一つあるだけだし、近くにコンビニも無い。 そこからさらにバスに乗って20分くらい行ったところにある古い一軒家が祖母の家だ。
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