第1章

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 ユーラシア大陸の東の果てに浮かぶ島国、日本。ここは二十一世紀に残る世界最後の帝国であった。  第二次世界大戦、大日本帝國は枢軸国側として大東亜戦争にて当時の大国アメリカ合衆国と戦い、各地で激戦を繰り広げた。資源を求めて南下した日本軍は東南アジア諸国を植民地支配する連合軍と戦い、その独立や解放を支援することによって強大な力を持つ米国に対抗する勢力を強化した。日本とアメリカの戦力差は開戦当初から大きく開き、日本は多大な損害を出したが、日本は善戦した。ミッドウェー海戦において空母一隻を失うも辛くも勝利し、マリアナ沖海戦で米侵攻部隊を撃退。米軍の侵攻を阻止すると太平洋戦線は膠着状態に陥った。  しかしこれ以上の戦線拡大は日本の限界だった。アメリカの強大な工業力を前に伸び切った戦線を支えることができなくなりつつあった日本は国防圏の縮小を図り、中国戦線から撤退すると、米国との早期講和を目指して動き出した。  一方のアメリカはミッドウェー海戦において大敗した上、マリアナ沖海戦以降、戦果を挙げることができず、不毛な消耗戦に陥っていることに危機感を覚えていた。
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