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するりと泥濘を滑った拓人の指が目の前に差し出された。
勢いよく目を逸らす。
「見せないで」
「自覚しろ」
「見なくても、自覚してるわよ!」
自棄になって叫んだ声を聞いて、拓人はククッと笑った。
楽しそうだし、嬉しそうだ。
そんな様子を見ると、少しのいじわるくらい許してしまいそうになる。
「今日は何回イかせようか」
「知らない!」
「そうか。数えきれないくらいだな? 任せとけ」
「ちが、あぁっ」
唐突に入り込んできた指が的確に弱いところをついてきて、思わず叫んでしまった。
「もっと蕩けような」
楽しそうに言った拓人は私の中を探り、あっという間に官能の大渦に投げ込んだ。
「やっ、ん、まって」
「もっとだろ?」
「そうじゃ、あ、もうっ」
「ダメか?」
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