プロローグ

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俺の人生は数奇な人生と言える。 なぜなら俺はたった一人の人間に人生が踏みにじらりているからだ。 そうまるで物語のように 俺の人生の最大の分岐点は俺が言うその一人の人間に会ってしまったことだろう。 確かに最初は楽しかった。 けれどだんだん何かが違う、なんで俺がこんな目に遭うのかが分からなくなった。 それは中学生の頃から始まり、高校の頃はまるで地獄だった。 普通の良識ある人ならば「そんな奴と一緒にいなければいい」と言うだろう。けれどこいつはそんなことは通用しない。 いや、こいつは誰もが認める天才であり神童だ。だからこそあいつは日陰者の俺に手を差し伸べる。 だが俺にとっては悪魔の手に他ならない。なんたって奴が何かするたび俺はそいつの尻拭いをしなければならない。 時には奴が女の子を助けるためにマフィアに喧嘩売り、逃げる。そこまでいいだろう。だが何故俺がその後、下校の際に拉致られ拷問されなくてはいけないかが良くわからない。そして何故か奴はなんの被害を受けずに過ごす。 学校でもそうだった。俺が何かやっても奴の手柄。奴が上級生に喧嘩しようが何しようがボコられるのはいつも俺。けど俺のことを見てくれている人もいる。俺にとってはそれが心の救いだった。 けれど甘い考えだった。奴は高校に入るまでに、女の子を助けるためにヤクザやマフィア、非合法の販売業者に喧嘩を売り、その皺寄せが俺の家庭に大きな亀裂を入れた。 当たり前だ。毎日家に石を投げ込まれ、無言電話がかかってくる。そしてそれが俺の所為だと知ると親がDVをし始めた。俺は高校に入るまでそんな地獄の生活をしていた。 一度なんでこんな理不尽なんだと思いマフィアに拷問された時に聞いてみた、「あの野郎のそばにいる娘がな大企業の令嬢でその恋人であるあの野郎に手がだせねー。だが俺たちにも面子がある。そんで下っ端のおめーを潰すんだよ。恨むならあの野郎を恨みな」 俺はこの理由を聞いててなんであいつと出会ってしまったのか。それだけを俺は後悔した。
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