さわらぬ神に祟りなし

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 「まあええわい。なぜお主を選んだかというとのう、物事のメリットとデメリットを最もよく知る人間だからじゃよ。お主の環境の成果もあるじゃろうが、それが選んだ理由じゃ。そしてなぜわしらがこんなことを頼む理由じゃが、異世界召喚が多すぎるのじゃ。勇者を呼んでは戦争し、死ねばまた呼ぶの繰り返しじゃ。そのためか世界を構築する壁がだんだん薄くなってのう、早急に召喚の魔法陣を破壊せんといかん」  「それなら別に俺じゃなくてもあのイケメン天才野郎にやれせれば向こうも言う事聞くんじゃないか?」  あいつは人を信用させるのは神レベルだからな。そういうことならあの野郎が神様に言われたと言って聞かせればすぐ終わることだろう。  「確かに一理あるがそれは無理な話じゃ、あのものは女子に弱すぎる。そしてお主たちを出迎えるのはその国の王女、かなりの別嬪さんじゃ。そのものに説得されれば終わりじゃ」  なるほどそれなら納得だ。女のためにマフィアに喧嘩を売る狂人だ。神に言われようが、その別嬪に「国民のために~」とか、「帰るために~」とか言われれば躊躇するその間に魔法陣から遠ざければいい。その後はゆっくり説得すればいい  はァ~ ため息しか出ない  「まあそういう事じゃの」  「けどなぜ俺を神に? そこの理由がわからない」  「それはのう、世界がそのせいで荒れているためじゃ。先ほども言ったが勇者を呼んでは戦争していると、そのせいかお主らで言う戦国時代なってのう。その影響で文明や種族が全く成長しないのじゃ。そこでじゃ、世界にある程度干渉できる神を作り世界を導こうという結論になっての、そして今回の召喚からお主を抜擢したのじゃ」  「あんたらだと干渉できないのか?」  「わしら神は世界の管理権限を持っているがそれと同時に干渉権限は持っておらん。本来お主らの世界のように知識技術を蓄え発展していき、つまずき、それを乗り越え精神的にも成長していくのじゃが、向こうは戦争に明け暮れ全く成長せん。そのための起爆剤としてある程度干渉できる神がほしいというわけじゃ」  なるほぼね。新しい神としての役職をつくりたいと、まあ理由は分かった。
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