さわらぬ勇者に祟りなし

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 俺の目の前には神が言った通りかなりの美人がいるが、この女はもう俺の隣にいる人災こと勇 蒼真(いさみ そうま)にすでに落とされたようだ。だだ他の女どもは嫉妬の篭った目線を向けている  「勇者様、我が国をお助けくださいませ」  さすがのこの野郎も混乱しているようだ。顔を見る限りは焦りが見えるし、ハーレム軍団に指示を仰いでいる。そして俺の方に顔を向ける。  こっち見んな  「連! 良かったよ。これはもしかして異世界召喚というやつかい?」  聞かれてはしょうがないので答える。一応、俺の名前はこいつが言った通り下影 連だ。  「わからんが状況が似ているからその可能性が高い」  俺たちが小言でしゃべっているため王女が恨みがましい目を向けてくる。俺は内心思いながらも聞いてみる。  「あのう? 勇者とはどういう事でしょうか?」  「はい、勇者様それに関しましては王の間でお話しいたします」  何故か蒼真の方を向いて話すため、もうため息をつかざる負えない。別に召喚されてからまだ数分しか経っていないが、王女様にとって俺はお気に召さないようだ。  「では勇者様、王の間へご案内します」  一応立ち上がり、ついていこうとすると  「申し訳ありませんが付き人はここでお持ちください」  などと言われ、はっきり言って誘拐まがいのようなことをされたのにこの扱いはひどいと思う。まあ昔ならそうだった。だが  「ま、待ってほしい連は僕の親友だ。付き人ではない」  「そのようなはずはありません。勇者様にあのような薄暗い者が親友というのは…、それであなたと勇者様の”本当”のご関係は?」  ”本当”の強調するところを見れば、まあ否定してほしいのだろう。俺の容姿も満更でなく、暗い。ニート見たいに、ガリだったりデブだったりではなく身長も容姿も普通だが髪で目が隠れているためどうしても薄暗い印象を与えてしまう。  「はい、私は勇者様の付き人でございます」  「な!! れ、連! 親友だろ!」  申し訳ないだ人災のお前とは居たくない。それに俺は魔法陣を消さないといけないからここに残るのは丁度いい。  「連! 一緒に行くぞ、ほら!」  俺の手を掴み、引っ張る  
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