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本当はそんな事必要ないのではないか。
それが頭によぎったのに、レッスンをしなかった間、皆とどれだけ遅れただろう。
急に不安に思い、言ってしまった。
ーーーだけどまたあすなの顔がちらつくいて。
今のあすなを1人にはさせられない。
北海道に帰ろうと思ってた。それは嘘じゃない。
だけど……夢を諦めたくない俺のその希望も捨てられなくて。
苦しい。
考えたくはない。
だけど、答えは出さないといけない。
もがき苦しむとはまさにこの事だ。
「まぁさ、向こうに行ってもたまに俺は佑都に会いに行くよ」
「ん?」
ぼんやりと考えていた矢先ふと、頼のそんな言葉が耳に入る。
「あぁ……サンキュな」
今日何度目のこの言葉か。
何回言っても足りない位感謝してるし、まだまだ言う必要すらあるかと思ってる。
「うわぁー。もう佑都が気持ち悪い」
「何でだよ!たまには良いだろ!」
「なんだ?明日は台風か?」
わざとらしく、窓の外を見る様に言う頼。
知ってる。
空気を変えようとおどけてみてくれたことを。
――ありがと。頼。
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