あすなと佑都

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「今、なんで俺に?って思ってるだろ?」 そんな俺の考えを読んだかのように、先生がニヤニヤしながら俺に訊いてくる。 「えっと……はい」 俺は困惑しながらも答えた。 「この間アフレコしたのあるだろ?それをたまたま聞いた作者が主人公にぴったりだってお前にオファーが来た」 ――嘘だろ。 この言葉の破壊力は俺を激しく揺すぶった。 主役……? この大好きな作品の……? 俺は感動と興奮で震え上がり文字通り何も言えなくて固まっていた。 「でも……お前のところ今大変だろ?どうだ?」 すると、気遣う先生の声が耳に響く。 俺を現実に呼び起こす、言葉だった。
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