あすなと佑都

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*** 頼の好意に甘え、俺は一週間を待たず、北海道に戻った。 ただいまと、家の玄関を開けるとあすながとてもいい笑顔で出迎えてくれる。 そしてテーブルの上にあった紙と鉛筆をするすると滑らせ俺に見せてくれる。 【おかえり。予定より早かったけど何かあった?】 少し丸いきれいな文字。だけど、表情とは裏腹に少し弱い圧の文字に心中を伺った。 「あすな、話があるんだ」 俺がそういうと柔らかくこくんと頷く。それを確認するとふぅと軽く息を吐いたのに肩に力が入る。 「俺な、アニメの主演が決まったんだ」 その瞬間ぱぁっとあすなの顔が輝いて、本当に嬉しそうにしてくれたから。 俺も嬉しくて。 だから次の言葉がさらっと言えた。 「あすな、俺と東京に行かないか?」 あすなの様子を見てたらきっと快く返事してくれると思ったんだ。
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