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やっとこさ追いつくと目の前には田宮を囲む数名の男性。
これはやばい!早く通報しないと...!!
俺は携帯を開き番号を打ち込もうとする。
「ふざけてんのか!!」
男性の怒号に目を向けると手を高く振り上げる男性の姿
「田宮...!!危ない!」
考えるよりも先に体が動く。
田宮と男性の間に体を滑り込ませる。
頬に走る激痛。
少し浮いた体。
地面にたたきつけられる背中。
間一髪(?)
俺は田宮を助けたようだ。
「あんた...なんでここに...」
田宮は不思議そうにのぞき込んでくる
いや。すみません好きだからなんていえませんよ
体を起こし立ち上がる。
どうしよう...俺、けんかできないのに...
「なんだお前!」
向こうは完璧戦闘モード。
「た、田宮だけでも逃げて!!」
自分でも恥ずかしくなるような台詞をなんとか吐き出す
いいんだこれで守れたし...くっそ
「はぁ?あんた何言ってんの?」
だが田宮は俺の思ってた行動と全然違う行動をとった
ご自慢の長い黒髪を掻き上げると男性に向かって走り出す。
「なっ...!」
突然のことにひるむ男性の腕を掴みそのまま腹に一撃。
「ぐっ...このっ!!」
拳を繰り出した右手をひらりとかわしその反動を利用し
投げた。
「うわ....」
俺は何もできなかった。ただ口を開けて見守ることしか。
気付いた時にはもう立ってる男性はいなかった。
「ふぅっ」
田宮は少し息が乱れてはいるもののなんともないようだ。
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