夜の足音

2/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
星降る夢の旅路 夜空には一つの光がある それだけは夢見る僕らでも みることができるんだ そこは魂の終着駅 そして新しいはじまりの場所 だれもが何度も乗り合わせ その度にここへかえってきたんだよ 覚えているかな? その旅の再出発を のぞんで乗ってきたはずなのに いつか忘れてしまうんだ だって思い出したままで 出発駅に 降りるのは あまりにも辛すぎるから そうだ この世界でも 満員電車はやってくる けれど 心だけが置き去りなんだ それを知っていながら 見ないふりをして みんな必死に前を向いていくんだよ なんどもなんども乗るうちに 世の中には知らなくていいことも たくさんあるって知ったんだ 同時に知ることができるのも ほんの一部だってこともね 記憶をすべて忘れて乗り込むのが この列車なんだと気づかずに いつも乗ってから気づくんだ 魂の列車の終着駅は もう君が君でなくなる その旅はすでに終わってしまっていること もう戻れない場所に来たんだと そのときの後悔しないかい? 笑ってよかったと言えるのかい? その問いに顔をふせたまま 僕らはいつか笑える日を それでも夢見て歩いていく 星降る夜にみえるかな? 天高く昇るあの列車を 君の大切な人が きっとそこに乗っているんだと だから涙を拭いて 手を降って 君の想いは届いているから そして大きな声で叫ぶんだ 大好きだよと思いっきり 涙がとまらないなら 祈るんだ 見える星に願いをかけながら 「ありがとう」 「さよなら」 「また明日」 また会えることを 願いながら たくさんたくさん 願いながら
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!