第1章

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スナは大学へ進むために、勉強をしなくてはいけないから、バイトは決められた日数しか入れないと言っていた。 大学進学は、私の中で皆無。 勉強は、今通ってる高校の勉強でいっぱいいっぱい。 これ以上、大学へ進んで勉強したいなんて、思ったことも考えたこともなかった。 「るり、バイト掛け持ちして大変そうだけど、何か欲しいものとかがあるの?」 バイトして自分でお金を稼げるようになってから、いつしか私は家を出ることを決意していた。 けど、まだ時期が定まっていないし、いまは話すタイミングじゃないと思って、この時はスナに話さなかった。 「特別なんか欲しいってものは、いまはないかな。 時間があるから、高校生のうちにお金を貯めたいなって思って。」 スナは屈託無い笑顔で頷いた。
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