第1章

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2月の雪が残る寒い夜。 バイト終わりに、思い詰めた表情のスナが待っていた。 大きくなってしまったしこりが破裂するように、心を曝け出し打ち明けてくれた。 きっと、その時のスナの気持ちは、私にしか分からなかったと思う。 まだまだスナと話していたかった。 平日で次の日学校があったから、仕方なく、後ろ髪が引かれる思いを残して、その日はお互い家に帰った。 自転車を漕ぎながら漕いでいる間、家に帰るまで、家に帰ってからもずっと、スナのことを考えていた。 頭からスナのことが離れなかった。
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