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綾香には、大枚つぎ込んでいる。どれだけの物をねだられて買わされたか。
隆は、今まで会社の金を上手く誤魔化してきたわけだが、そろそろ限界だ。
家の金は、美鈴に財布を握られているので、一切誤魔化すことはできない。
家計より会社の会計を誤魔化すほうが、簡単だなんて。皮肉なものだ。
隆は昼間だというのに、綾香を見ると、下半身が熱く疼いた。
その時、隆の携帯のバイブが震えた。マナーモードにしているが、その相手がすぐに誰だかわかった。
クソ、ガキめ。そのまま隆はトイレに行く振りをして、トイレの個室に篭り、メールの相手を確認すると、案の定思った通りの相手だった。
「パパ?最近、全然会ってくれないじゃん?優奈、浮気しちゃおっかなあ?」
ちっ。隆は舌打ちしか出てこなかった。そのまま、メールを無視して、個室から出た。ちょっと若いからって調子に乗るなよ。ションベン臭いガキとはもうおさらばなんだよ。何度か援交したからって、こっちが必死になるとでも思ったのかよ。そこまで女には不自由してねえよ。そう思いながら、綾香の体に舐めるように視線を這わせた。すぐに股を開くようなお前とは格が違う子を今日は抱くんだからな。隆はいやらしく笑った。
「チクショウ、あのオヤジ、無視かよ!」
優奈は携帯を投げつけた。カシャリと嫌な音がした。
「あーあ、携帯壊れちゃったジャン。オヤジに弁償させなきゃね。アタシを無視するとか、いい度胸してんじゃん。今に見てなよ。」
優奈は以前撮った淫らな写真をあるアドレスに二台目の携帯で送信しようとしていた。
「びっくりするよ、あのオヤジ。」
優奈は笑いが止まらなくなった。
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