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桐谷さんが依頼書を書いている間、わたしは彼女をじっと見ていた。
あぁ、やっと見つけたと思った人に、裏切られるなんて……。
ショックだったんだろうな…
だって殺したいほど…
ん?
「やっぱり殺すんですか!?」
裏返ったわたしの声に、二人は一斉に顔を向ける。
「えぇ。殺したいほど憎んでいるの」
と桐谷さん。
「もちろんだよ、夏樹ちゃん」
と倉田さん。
「だめに決まってるじゃないですか!?第一、殺人は刑法199条によって懲役、または……」
死刑。
いくら最悪な人でも、殺したらこっちが大悪人だ。
「いや、ナイフで堂々と殺しに行くわけじゃない。事故に見せかけるか自殺に見せかけるかだね」
倉田さん、そんなに笑いながら言わないでください!
「さっきまで、殺しましょうとか言ってたじゃない」
いや、それはそうですけど……
「とにかく、わたしはやっぱり殺人には反対です!」
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