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私立英王学園。
文武両道を掲げるこの学園は、今日も清々しい空のもとで生徒達が楽しげに会話をしながら登校するのだった。
「ダーリン!おはよぉー!」
「おはよう、俺の可愛いハニー」
「もう、ダーリンったらぁ!」
おはようございます、現在現役女子高生でヒーローやっちゃってる鳴神由花でっす!
現在、すっごい白目向きそうになってます!!!
何でかって?
え、聞いちゃいます?ねえ、聞いちゃいます?
では、お答えしましょう………それは………!
『あのバカップル、切っても問題ないな』
「ヒーローが物騒な発言しないの」
正門でベッタリと、甘えた声を出す一組のカップル。
彼らこそ、この学園で有名なバカップル3年バスケ部部長風間先輩と同じく3年の宮地先輩である。
二人共、美男美女ということで特にバスケ部部長である風間先輩とギャル雑誌でトップモデルをしている宮地先輩は色んな意味で目立つというのもあってこの学園の注目の的だ。
「おはようっす、先輩」
「あ、おはよー三橋君」
アクビをしながら挨拶をしてきた三橋君だったが、風間先輩カップルを見つけた瞬間盛大に顔をしかめた。
「ウゲー………朝から気持ち悪いもん見たわー」
「美男美女だけど朝から正門でベッタリイチャイチャだからねー」
「ああいうカップルって別れ話になったら周り巻き込んでまで大騒動起こしますよ絶対、あーやだやだ」
そう言って再びアクビをしながら歩いていく三橋君。
正門では未だにバカップルが、朝の抱擁タイムを満喫しており周りの視線などまったく気にしていないようだ。
『後輩の言うとおりにならなければいいな』
「まあ、確かに巻き込まれたら面倒だもんねー」
『まあ、ただ巻き込まれるならまだマシかもな………
そろそろ、切ってもいいか?いい加減気持ち悪くなってきた』
お願いだからやめてとレオライザーをなだめる。
だけど、あれだけ盛大なバカップルってそう簡単に別れないよなと思いながら私は教室へと向かうのだった。
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