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「え………?」
正門に近づいた瞬間、少し強い風が吹きそれと同時に何か声のようなものが聞こえた気がした。
そのまま、足は何故か門の外ではなく近くにある丁寧に手入れがされた林へと向かっていく。
誰もいない、何もないはずなのに私の足は何かに惹かれるように歩いていき、やがて1本の木のもとで立ち止まった。
何の変哲もない普通の木。
だが、木の根元のほうをよく見ると何かが光っているのが見えてもう少し近づいてしゃがんで見るとそこには綺麗な青い石が落ちていた。
「綺麗………」
大きさはちょっと大きなビー玉くらいの大きさだろうが手に取ればひんやりとした冷たさが伝わってきて何故かそれが心地よく思えた。
太陽に透かすと青い玉の中に金の線が見えてよく見るとその線は一つの模様になっていたのだ。
そして模様を取り囲むように不思議な文字のようなものが描かれていて私は光に透かしながらじっくりとそれを見つめた。
不思議な模様、だけどどこかで見たような………
えーと、確か………アレだ!
「ライオンだ!」
そうだ、よく見ればこの模様はライオンだ!
でも、文字は流石に読めな………
「レオライザー………?」
勝手に口から言葉が出てくる。
いや、レオライザーってなにさ?
何か私、おかしい………
あれかな?いいことありすぎたからちょっと浮かれて熱でも出てきたのかな?
「………早く帰ろう」
その日の帰り道は何故か足取りが異様に重くて帰る頃には、疲れと共に異様な眠気が襲ってきて私は部屋へ入ると制服も脱がずにベットへと倒れこみそのまま眠りの世界へと旅立ったのだった。
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