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そして2人はクラス分け発表の紙が貼り出されてる場所に向かった。
「……あ!」
その紙があるであろう場所にすごい人が集まっており、その中から飛び抜けて背が高い男に目が止まった暁。思わず声が漏れると向こうもこっちを見て、「あ、」と口が開いた。
「…暁」
「よー!黎!」
染めたキンキラキンの金髪。崩れた服装。ピアス。目つき。しかしイケメン。見るからに不良な彼が暁を見つけて少し微笑む。
「来てたんなら言えよなー。全っ然見なかったからサボりかと思った」
「いや…さっきまで上級生に絡まれてて、さっき片付いたとこ」
「あ?!お前また喧嘩っ…」
「大丈夫大丈夫。俺かすり傷一つねぇから」
「そーゆう問題じゃねぇよっ!」
あまり表情を変えず、「へーきへーき」と言う目の前の男、『大神 黎』は暁の友達である。
「…チッ。てめぇも一緒かよ」
「何だ。何か問題でもあるのか」
「てめぇはいけすかねぇ」
「奇遇だな。俺もだ」
但し、陸斗とはものっっすごい仲が悪い。顔を合わせればすぐ言い合いになってしまう。
「はぁー…それよりクラス見ようぜ」
そう言った暁に、渋々2人は言い合うのを止め、クラス分けの紙を見た。
「あ、俺B組だ」
「俺も」
「………A」
たった一人、クラスが分かれた人、陸斗を黎と暁が同時に見る。
「あー…陸斗だけ分かれちゃったか…。ま!クラスは隣だし!俺もお前のクラスに行くからよ!」
そう言って笑いながらバシバシと陸斗の背中を叩く暁。陸斗に到っては、少し機嫌が悪くなったそう。
「じゃあもうそろそろ教室入らないといけないっぽいから、行くか。」
陸斗の機嫌が悪い事を気にとめる事なく、暁は校舎に入る。その後ろでは陸斗が黎に小さく耳打ちした。
「………変な虫ついたらお前潰すからな」
とてもドスのきいた声で、
「あ?変な虫はてめーだっつの」
と、野生の狼のような鋭い瞳で、
2人の周りだけとんでもないオーラが漂っていた。
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