ライオンとウサギ

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それから3人は各々の教室に向かう。と言ってもクラスが違うのは陸斗だけなのだが…。 とても不服そうな顔をして自分のクラスに入ってった陸斗。 「あんな機嫌悪くなんなくてもなぁ…あんなんじゃ友達できねぇぞ。」 「別に暁が気にすることじゃないだろ。」 「馬鹿言うな。幼馴染みなんだから気にするに決まってるだろ。」 「……幼馴染みってだけでいいよな…」 そうボソリと呟く黎。それが暁に聞こえる事は無かった。 「あ。でも、お前も心配だからな。」 「……は?」 「そうやって目つき悪くいると俺以外で友達できねーぞー。」 挑発するような笑みを見せる暁。その瞬間クラスに居た数人のクラスメイトが暁に視線を集中させていた。 それに気付いた黎が周りを睨んで牽制する。それを何を勘違いしたのか暁は「ほらまたそーやって目つき悪くする!人の話聞いてたのかあぁ?」なんて言い始めた。 (…何で暁が気付かないのか不思議だ…) 中学から思ってた事だったが、改めて感じる黎だった。 そして黒板に書かれている座席表に従って2人は席に着く。 ガラ… 「おら全員席ついてるなー。俺がお前らの担任、河瀬だ。河瀬様って言えー。んじゃ廊下並べー。体育館いくぞー。」 な、なんてだるそうな担任…!いいのか?あんなんが、教師で、しかも担任でいいのか?! とても心配になる暁。しかし、これから先その心配が消える事は無いと後程思い知るのだった。 ◇◇◇◇◇◇◇ 「えー……であるので……ですから……」 おきまりの長い長い校長の話。暁、黎2人とも眠気と必死に戦っていた。 「…それでは、生徒代表、生徒会長からのお祝いの言葉です。」 司会のその言葉が出た瞬間、体育館内が一気にわあっと騒がしくなって暁はパチっと眼が覚める。 .
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