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〈暁 視点〉
まだ高校入学式前の春休み、俺は入学してから入るバスケ部の練習に参加させてもらえることになった。
その為に今こうして立興第一まで来てるんだけど……、体育館ってどこ??!!
先輩の話だと8時から練習開始だから、あと30分しかないんだけど……一向に体育館につかない。
どうしてだ??!俺方向音痴では無いはずなのに……!
つか、公立のくせに広すぎんだよ!!ふざけるなよ!!
「……はぁ~~……どうしよ…」
「…あれれ~??誰かいるー?」
「ん?」
もう泣きたくなって、しょげていると右側から誰か歩いてきた。
見るからにチャラ男。染めた金髪、……ゴールド?何かキラキラしてる…?
「あの……」
「もしかして、今度から入ってくる1年生??」
「あっ!そうです!」
「あ、やっぱそうなんだ~!春から練習参加って、君相当凄いんだね~。」
「いやいや……あ、そうだ。体育館ってどこですか?」
「体育館??ここ真っ直ぐ行けばあるよ~~」
「おおぉ……!神だ!メシアだ!ありがとうございます!」
「いいよ~。その代わり、ご褒美頂戴?」
「…え?」
そう言ってチャラ男が顔を近づけて来る。固まって動けずにいたら、
「あきら!!!」
「……ハッ!」
「いだだだだだだ!!!!!」
自分の呼ぶ声に我に帰ると直ぐにチャラ男の顔を引っ張った。その後暁必殺、コブラツイスト!!
「な、何しようとしてんだ!!」
「え、なにって、きす?」
「きす?…じゃねぇ!!男相手にすんじゃねぇよ!」
「えー?可愛くて綺麗なら男でもいいよ~?キュッて締まるし?なかなか…」
ダンッッッ
暁の蹴りが地面を強く打つ。そして真剣な眼差しでチャラ男を見据えた。
「別にお前の性交をどうこう言う気はねぇよ。俺も人のことは言えねぇ。………だがな、投げやりな感じで自分の事なんて知らないみたいなのは気に食わねぇ。
自分の事くらい自分が大事にしろ。」
「…………ハイ」
「今度必ずお礼はする。道は教えて貰ったからな。………じゃ」
そして自分を呼んだ人と一緒に歩いていく暁を見てチャラ男が一言。
「……その男らしさにキュン…」
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