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「なんで?
なんでユカと付き合ったの?」
「なんでって、そりゃあ、お互いに、さ……」
「だってユカは、高校に入ってからの友達でしょ?」
ミユキはもう、完全に泣いていた。
流れる涙を拭きもせず、顔をグシャグシャにしながら言う。
「だから何よ?」
「私は!!私は、ケンジの幼馴染で……ずっと、ずっとケンジと一緒で……」
「と、とりあえず落ち着けよ、な?」
「ずっと、ずっと好きだったのに……」
「え?」
「ずっとケンジのことが好きだったのに!!
今日やっと、告白しようと思ってたのに!!」
「なっ…!!」
「ミユキ……」
「もう全部おしまいだよ……おしまいだよ!!うわああああ!!!!!」
子供のように声を上げて泣くミユキ。
焦るケンジ。
頭を抱えるヒロ。
ミユキを睨むユカ。
札束を握りしめるサトル。
「私がずっと好きだったのにいいいい!!!!」
スクランブル
青春が、転がり出す。
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