ジェラルミンケースから1億円

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普段と変わらぬ 自宅内への帰路。 たまには近所の 公園にでも 立ち寄ろうと、 遠回りをした。 遠回りをして 考えたい事が あったからだ。 公園の入り口に 到着してから思った。 『うちのチビとも 日曜日も休みが無くて 最近、公園にも 遊びに来てないな~』 次の休みには一緒に チビと遊んでやりたいな…… と思いながら公園の中を ブラブラ歩いた。 ベンチに座って 考え事をしようかと 近付く…… 街灯だけが点く公園の ベンチに大きな ジェラルミンケースが ポンッと置き去りになっていた。 『はて? こんな所に』 と不思議に思いながら 街灯に照らされて シルバーに光輝く ジェラルミンケースに 近づいた。 『重いな』と、感じた。 次に "開けてみたい" という好奇心に かられた。 即座に私の腕は ジェラルミンケースに 伸びていた。 確認すると何と 鍵が掛かって居ない?! 普通は暗証番号入力とか 頑丈な鍵がこういう ジェラルミンケース には付いている筈なのに…… そのケースを開けたら 目玉が飛び出る程に驚いた。 今まで見た事が無い数の シワ一つないピシッと した福沢諭吉が印刷された 一万札がドーンとビッシリ、 ジェラルミンケースの中に 隙間なく埋まっていた。
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