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アイロンがビシッと
掛けられたような
福沢諭吉のピン札には
帯が付いていた。
当たり前だが
1帯冊が100万円。
俺はジェラルミンケースの
中に綺麗に埋まった一万円札
の帯をザッと数えた。
100万円に帯がついて
100冊?!
ええと……じゃあ、これは……
い、い、い、1億円ーーー?!
犯罪にでも巻き込まれたら
大変だと考えた。
何と言っても俺の今の
悩みがさ……まあ、
なんて言えば良いのかな?
とにかく、こんな大金を
公園のベンチに……
尋常じゃないと即、判断。
金は欲しいが
ゴタゴタに
巻き込まれるのは
俺は勘弁だった。
何て
タイムリーな……
どうしてこんな時に
俺の目の前に
こんな大金が……
ポンッと現れるんだよ。
俺は急いで警察に
届ける事にした。
そりゃ、マンションの
ローンに二人の
子供のこれからの学費。
親の老後の
世話も入る。
生活費は勿論、
毎月の教育費に塾、
俺の親の介護費用……
かなり大変。
だが……ここは真面目に
警察に届けよう。
もし、この金が全うに
稼いだ金じゃなかったら
誰も見てない? いや、
分からない。俺の
懐に秘密で入れたら
ヤバイだろ?
そうだ。駅から近い警察署は
24時間、警官がいるばすだ。
俺は今来た道を引き返し、
急いで警察署を目指した。
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