1人が本棚に入れています
本棚に追加
/110ページ
だから、信久の問いに、
答える事が出来なかった。
その問いに答えなど、
シュキは分かっているから。
「為久・・・・父上さまは――」
シュキの言葉を待たず、
信久はシュキに声を張り上げて言う。
「父上は!!共存と言う!!
ありえない理想を掲げているから・・・・
実の兄ある叔父上(元代)や!!
大切な友のシンと言う男と!!
その仲間を戦で失っただろう!!」
「それは・・・・!!」
信久はシュキの前に来た。
「だったら・・・・争いで大切な者を失うぐらいなら、
戦の火種である……妖怪と半妖がいるから、
排除すればいいだけの話だ」
信久はシュキにそう言うと、屋敷の中に入っていた。
シュキはただただ、
立ち尽くす事しか出来なかった。
最初のコメントを投稿しよう!