第1章 上弦の月①

3/9

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/110ページ
シンたちは可憐に、 妖怪たちを峰打ちして、 気絶させて行った。 「グッハァァ…!!」 シンは刀を鞘に仕舞った。 「ふぅ・・・悪いが、  少しの間だけ、眠っていてくれ」 シンは龍姫たちに近寄る。 「あんた達、大丈夫か?」 龍姫たちは、 まだ怯えている様子だった。 「はい・・・」 女中の2人は、シンに頭を下げる。 「助かりました」 シンは龍姫の格好を見て、 どこかの半妖の姫だと気づく。 「何で、半妖の姫さんたちが、  こんな妖怪たちが現れる道を、 通っているんだ?」 女中の1人が、シンに説明する。 「実は・・・私たちは、石岡家に仕える女中で。  あそこに、居られる姫様は・・・  石岡 三成さまの姫君、石岡 龍姫さまなんです」 シンは鬼の力を抑えるために、 あちこちに旅をしていたので、 三成などの武将を知っていたので驚く。 「石岡 三成って・・・!  確か……豊田軍の妖怪の武将で、  関ヶ原の戦いでは狸の半妖である、  徳田軍の真っ最中じゃ・・・!!」 「そうです・・・そして、三成の命により、  敵に見つからない様に、  この地を収めている津軽 信久さまの元に、 行く為にこの道を通ったのです」
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加