第1章 上弦の月①

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その時、部屋の外から、 鎧の鋼がぶつかる音が聞こえて、 ゆっくりと神田たちがいる部屋に、 近づいて来た。 神田は一層、怯え始めた。 「とうとう~!!やつが来た!!」 すると、神田たちが居る部屋に入って来たのは、 銀色の鋼の鎧を着た正装した、 中世的な顔立ちの青年だった。 「落ち着きください、父上。ボクですよ」 ミカゲは、青年を見て驚く。 「雅雄(がお)さま・・・!!」 神田の息子ある雅雄は、 神門の前に座る。 「ミカゲ、久しぶりですねぇ」 美影は雅雄に頭を下げた。 「はい・・・・お久しぶりです、雅雄さま」 「それより、父上がこんなにも怯えているんだ?  仮にも、裏で徳田家と、豊川家を操っているのに」 神門は、雅雄にすがりつく。 「ワシは・・・!!怖いのじゃ。あやつはなぁ・・・!!  妖怪の中で強い妖怪である、ワシらと違い・・・!!  永遠の命を持つ伝説の妖怪より・・・  最強の妖怪・・・“鬼”となった!!シンがなぁ!!」 雅雄は神門からシンの話を聞いて、 子供の様に興味を持った。 「ほぉ・・・最強の妖怪、“鬼”ですかぁ・・・?」 神門は体を丸くする。 「あぁ・・・!!」 雅雄は優しく微笑む。
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