第1章 上弦の月①

7/9
前へ
/110ページ
次へ
「あぁ・・・・だから、雅雄は母親と似て。  あんな涼しい顔しているが、  わしよりも冷酷なやつじゃ。  父親でもある、わしが“こいつを  敵に回さないようにしない”と、  思うぐらいじゃ。  シンにも似ているかもしれない」 美影は頭の中でシンと雅雄を、 似ているかを考えてみる。 「雅雄さまと・・・・シンと言う男」 雅雄は神門と同様に歴史の裏で、 複数の武将たちを関わりを持っていた。 彼が味方した武将の戦には、 勝利をもたらしていた。 武将たちの間では、 雅雄を「戦いの神の化身」と、呼ばれるぐらい。 だが、彼は自分がどの武将が勝とうと、 負けようがどうでもよかった。 彼にとって、一番の楽しみは…… 人間や妖怪たちが争い中で、 互いにが殺し合う姿を、 高みの見物するのだった。 彼には殺し合う姿を見るのは、 演芸を見る感覚だった。 だからと言って、 彼は戦で戦えないわけではない。 彼が「こいつと戦っていみたい」と、 思う者がいたら戦場に赴く。 彼が華麗なる舞を舞っているように、 次々と挑んでくる者を斬っていった。 それでも、彼は満足させるほどの者は、 めぐり合って居なかった。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加