第1章 上弦の月①

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雅雄は隠れ屋敷の門を出ると、 そこから見える一面の景色を眺めながらら ため息混じりに、「シンって言う鬼は・・・・ボクを  満足させてくれるのかなぁ?」と、つぶやいた。 その頃、津軽家の屋敷では…… シンたちが到着していた。 「ここが、信久さま家の屋敷です」 「ここが・・・!」 そこに、信久が直鷹と家臣たちを、 引き付けれたシン達の前に現れた。 「ようこそ、石川 龍姫。  私は、この屋敷の主、津軽 信久です」 「わざわざ・・・出迎え、  ありがとうございます」 龍姫はお辞儀をした。 シンは龍姫と信久が、 ぎこちない空気を感じた。 「何だ・・・このぎこちないなぁ」 すると、信久たちが現れた方から、 阿保良が女中と一緒に来た。 「シン、お久しぶりですねぇ」 シンは年を取った、阿保良の姿に驚く。 「阿保良か・・・!?」 阿保良は、懐かしそうな顔する。 「あなたと会うのは、  何十年ぶりでしょうねぇ?」 シンは為久と再会した時の様に、 阿保良への罪悪感を感じていた。 「阿保良・・・俺は-・・・!!」 阿保良はゆっくりと、左右に振った。 「あなたの事情は、為久さまに内緒で…… 朱鬼から聞いています」
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