第2章 上弦の月②

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「鬼の娘、1つ聞くが・・・・  なぜ、信久と言う男は、  我が主を、目の仇にしているんだ?  我が主は、仮にもあやつの父上が、  信頼する友であるんだぞ・・・・」 シュキは、悲しそうな顔する。 「実は・・・信久には、2人の兄が居たの。  上の兄上は病気で死んだけど。  信久が慕っていた真ん中の兄上が、  信久が幼い頃に・・・兵士4100人と、  共に戦の最中に、  たった1人の半妖に殺されたのよ」 シンは動揺する。 「まさか・・・!?神門軍!?」 シュキは顔を横に振る。 「それが・・・分からないの。  その半妖を近くで見た者は、  誰も居ない・・・・だけど、  殺された兵たちは、  なぜか・・・・氷漬けになっていたの」 シンは自分の知らない半妖の事を、 聞いて混乱する。 「氷漬けにする・・・・半妖!?」 セツは推測で「早い話・・・・ 信久は兄を、殺した半妖を許せないうちに・・・・ 妖怪と、半妖を恨むようになったってことか? まるで・・・・誰かさんの様だなぁ 我が主よ・・・・」と言うと、シンの顔を見る。 シンは元代の事を思い出し、 両方の拳を強く握り締めた。
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