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信久は戸惑う。
「それは・・・!!」
龍姫は今にも泣きだしそうな顔で
「あなたさまの為です。
殿は、徳田軍の側の人間。
もしも、父が敗れたりしたら……
石岡の娘である、私を妻にしている、
殿の立場が無くなります!!
だから?その時は……」
信久は苦しそうな顔して、
「分かった・・・」と言いながら、
うつむいた。
龍姫は改めて、信久に頭を下げた。
「ありがとうございます……」
「でも……その日が来るまでは、
あなたは私の妻で居て下さい」
龍姫は初めて、信久に笑顔を見せた。
「……はい」
龍姫の感は的中してしまう。
それは、それほど遠くない日に、
訪れるのであった。
-神門の屋敷-
雅雄は自分の屋敷の庭で、桜の見上げていた。
「今年も・・・桜が満開だなぁ」
そこに、雅雄の家来が来て、
雅雄の前で片肘を付けた。
「雅雄さま……」
雅雄は家来の方を見る。
「何だい?」
「天満姫さまが、いらしゃいました」
雅雄を喜んだ顔し、
「そうか」と言う。
2人の女中を連れた天満姫が、
不機嫌な顔してやって来た。
雅雄はそんな事を気にせず、
天満姫を笑顔で迎えた。
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