第2章 上弦の月②

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信久は戸惑う。 「それは・・・!!」 龍姫は今にも泣きだしそうな顔で 「あなたさまの為です。  殿は、徳田軍の側の人間。  もしも、父が敗れたりしたら……  石岡の娘である、私を妻にしている、  殿の立場が無くなります!!  だから?その時は……」 信久は苦しそうな顔して、 「分かった・・・」と言いながら、 うつむいた。 龍姫は改めて、信久に頭を下げた。 「ありがとうございます……」 「でも……その日が来るまでは、  あなたは私の妻で居て下さい」 龍姫は初めて、信久に笑顔を見せた。 「……はい」 龍姫の感は的中してしまう。 それは、それほど遠くない日に、 訪れるのであった。 -神門の屋敷- 雅雄は自分の屋敷の庭で、桜の見上げていた。 「今年も・・・桜が満開だなぁ」 そこに、雅雄の家来が来て、 雅雄の前で片肘を付けた。 「雅雄さま……」 雅雄は家来の方を見る。 「何だい?」 「天満姫さまが、いらしゃいました」 雅雄を喜んだ顔し、 「そうか」と言う。 2人の女中を連れた天満姫が、 不機嫌な顔してやって来た。 雅雄はそんな事を気にせず、 天満姫を笑顔で迎えた。
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