第2章 上弦の月②

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「ようこそ、天満姫さま。  よくぞ、いらしゃいました」 天満姫は雅雄に突っかかる様に、 「雅雄どの、わらわをお呼びか?」と、言う。 「えぇ」 「何のようじゃ?まさか・・・!?  お主と花見をする為に、わらわを呼んだのか?」 雅雄は微笑んで言う。 「いいえ」 「だったら、何じゃ?!」 雅雄は天満姫に近づく。 「あなたにある事を、  お願いしたいと・・・思いまして」 天満姫は雅雄を睨む。 「さっさと、言え!!」 「そう、焦らず。  あなたに、お願いしたことは・・・  北の地を治めている男、  津軽 信久に嫁いで欲しいのです」 天満姫は動揺しながら怒り始める。 「雅雄どの!!ふざけた事を!!  なぜ、わらわが田舎の地に、  嫁がないといけない!!」 「私の目的のため・・・」 「妖怪であるソナタの目的のために!!  わらわが!!それに、叔父上である、  徳田 家康さまが、 田舎者に嫁ぐ事を許すことは!!」 雅雄は天満姫に、不気味な微笑を見せる。 「徳田殿はあなたが、  信久に嫁ぐ事は、許してくれています・・・」 天満姫は混乱する。 「どうして・・・?!叔父上が!!」
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